建替えかリノベーションかに悩む方に

築30年をすぎると、家のメンテンスが必要な時期となり建替えかリノベーション(全面リフォーム)かで悩む方が多くいると思います。
建替えが良いのか?リノベーションが良いのか?悩む方に、参考になる話をしたいと思います。

1.建替えとリノベーション(以下リノベ)の違いについて
 1)建替えとは、既存の住宅を基礎部分から完全に解体・撤去して、新たに住宅を建築することです。
 2)リノベとは、構造的な部分を多く残して間取りなども変更して新築同様にすることです。

2.建替えが出来ない住宅について 【このケースは、リノベ(リフォーム)しか出来ません】
 1)既存不適格住宅 家が建てた後に建築基準法などが改正をされて再建築(同じ大きさなど)再建築が不可の住宅 例:建築基準法に定められた道路に面していない、道路に2M以上面していない(全国で約100万戸弱)
 2)借地などで、建替えが認められない場合 (建替え承諾料を支払い認めてもらえる場合も)

3.建替えとリノべの費用等比較について (費用等・工期=30坪程度の場合) 
 1)費用等 建替え:1500万円~3,000万円 リノベ:1,000万円~2,000万円(内容による)
 2)諸経費等 建替え:解体・撤去費用、仮住まい費用、引越し費用 リノベ:基本は無し
 3)間取り等 建替え:自由設計 リノベ:構造等により制限があり
 4)工期 建替え:約4~6ヶ月 リノベ:約2~4ヶ月(内容による)
 5)税金等 建替え:不動産収得税、固定資産税、登録免許税など必要 リノベ:特別な場合の除きなし
 6)補助金・減税等 建替え・リノベ共通:グリーン住宅ポイント、住まい給付金、市町村住宅関連補助金など リノベのみ:介護バリアフリー、エコ省エネ断熱、耐震改修など

4.建替えとリノベのメリット・デメリット
 1)建替え メリット:自由設計などで、制限が無い。新築時の方が借入が多く借りれる
      デメリット:コストが割高。工期が長くなる。税金等が掛かる。諸費用が必要。
 2)リノベ メリット:コスト面が割安。工期が新築より短い。税金が掛からない場合が多い。
諸経費等が基本掛からない。
      デメリット:構造等により間取りの制限がある。劣化状況により費用がかさむ場合もある。

5.建替えをすすめる場合について
 1)耐震性が劣る場合 1981年(昭和56年)に建築基準法が改正する前の住宅などで耐震性に大きく劣る等がある。(基礎工事から大幅にやり変え工事となると大幅に費用が掛かる場合がある中途半端な工事となると、耐震性の乏しい家となる可能性もある=耐震診断等で判断)
 2)劣化の激しい場合 基礎や構造材(柱や梁など)が、雨漏りや劣化により腐り等があり大幅な取替え等が必要となる。 (大幅なやり変えが必要な為に、建替えをしたほうが良い場合がある)
 3)要望と合わない場合 ご要望の間取りや設備や広さを既存建物のリノベでは達成が難しい場合等がある。(間取りや設備や広さなどを考えると、大幅な増築等が必要な場合は、建替えのほうが費用が抑えられることも考慮して、要望にリノベでは難しい場合がある)

6.リノベになる場合について
 1)法的な問題等の場合 既存不適格建築物などのように法的な問題でどうしてもリノベにならざるをえない事もある。
 2)借地等で建替え不可の場合 借地等で建替え承認がおりない場合には、リノベで対応する事もある。
 3)建替えはしたくない場合 家族の思い出がある建物や古い建物(古民家など)でどうしても建替えをしたくない場合もある。
 4)予算的な場合 本当は建替えをしたいが、予算的に厳しくリノベにしたい場合などがある。
 5)住む期間等の場合 そんなに長く住まない(20年~30年以上等)の要望である場合など。

7.建替えかリノベかをどう判断することが良いのか?
 1)構造的なことや耐震診断等を専門家に相談して(できれば複数の会社)した上で、予算も考慮して判断する。(建築士でも、構造的なことに詳しくない人も多くいるので要注意。経験や実績や知識などを聞く事も必要)※特にハザードマップや地震確率の高い地域なども考慮して、無理をするリノベなどは要注意
 2)要望に答える事が可能なのか?我慢をしないで暮らせる事ができるのか?などプラン提示を受けて判断する。
 3)資金計画も大事だが、中長期の住まい方なども考慮して判断をする。(家族構成が変わる、将来一部賃貸など)
 4)今回の予算(イニシャルコトス)だけではなく、今後の光熱費やメンテナンス費用(ランニングコスト)も含めて判断する。
 5)建替えた場合の間取りと制限がある中でリノベした場合の間取りも提案をしてもらい判断する。
 6)無理やり建替えを勧めたり、リノベを勧める会社などは要注意が必要な場合もある。(会社都合の勧め方をされる場合)(新築が強い会社などは、無理やり建替えを勧めたり、リフォームが主体の会社などは、無理やりリノベを勧める場合も)
 7)信頼ができるプロの意見を聞く(経験はある人、建築素人、構造的な知識がない人などは要注意=惑わされる事もある)(専門的な知識が無いのに、意見を聞きすぎると本当の必要な情報が入らない場合や判断を誤る場合もある)※信頼ができる人は、プロとしてお客様の要望をしっかり聞いて、最良の判断ができる情報提供をできる人だと思います
   
最終的な判断は、自身で行うのですがその為の正しい情報収集ができるかが重要だと思います。信頼のできる専門家長いお付き合いが出来る工務店などがあれば、後々も憂いなく楽して暮らせる住まいが手に入れる事が出来ると思います。