私が,建替えからリノベを勧めた理由とは

以前の事例で、中古住宅付き宅地を購入したお客様の話で築30年(4LDKー40坪)の古屋を解体して、35坪程度の新築(建替え)を計画されていました方がいらっしゃいました。

プランニングのために、現地を訪れてその中古住宅内も見せてもらいました。そのときに、その家をみて建て替えよりリノベを検討してはと勧めました。

なぜ私が、建替え希望なのにリノベを勧めたのか?その理由などをお話したいとも思います。

建築士として、木造注文住宅やリフォームを多く手掛けて来て経験や構造的・リフォームの知識などを通してそのようなご提案になりました。(多くある事例では無いかもしれまえん)

第一に。メンテナンスがよくできている。(外壁・屋根塗装など)

第二に、構造的に築30年にしてはしっかりしている。
(基礎や土台の寸法も当時の一般構造より大きな寸法)

第三に、当時の図面が残っており、当時建築家の設計である。
(構造仕様や内部の仕様もわかるので、安心)

第四に、間取り的に一部の間取りの変更で希望の間取り変更可能
(構造的に無理をせず、要望の間取りに変更可能と考える)

第五に、解体費を含め、大きく建築費用を抑えることが可能
(約新築時の2/3の費用で済み、税金面も有利)

第六に、耐震・断熱面の補強等は可能と思われる。
(耐震的に補強しやすい間取りで、窓ガラスも交換可能)

などの理由により、内部を中心としたリノベーションを提案しました。

元々玄関ホールからの階段でしたが、登り方向を逆にしてリビング階段として、階段一段目を和室の段差が高かったので和室の踏み台も兼ねて、横長の踏み板としました。そのことで、小さなお子様が楽しく遊べて、和室に気楽に上がれるように設計をしました。

また、小さなお子様がいて二人目が生まれるタイミングでしたの玄関内にベンチをつくり、座ってお子様の面倒が見れるようにしました。
玄関からベビーカーを入れれるシューズクロークをつくり、そのままパントリーを抜けて、キッチンに入れる間取りに変更をしました。
弊社の漆喰にすると、シューズクロークも匂いが付きにくい為パントリーと繋いでも問題が無いと判断しました。

キッチンも、子育てをしながらの家事が出来やすいように対面キッチン式で、カウンターを付けて手元は見えないが配膳等のスペースを確保して、使いやすくしました。
動線の良く、分別ゴミ箱スッキリ納まるスペースをつくり食器棚も造作で、漆喰壁で手作り味噌なども簡単に作れるようにしています。

2階に浴室と洗面を設けて、洗面(洗濯)⇔ファミリークローゼット⇔バルコニーの動線をつくり、効率の良い家事ができる間取りになりました。

子育て世代の奥様の家事動線を如何に効率よくできる計画をして住んでから本当に喜んで頂けるリノベができたと思っています。

窓サッシのガラスを、真空ガラスにすることで近くを走る電車の音もほとんど感じられない様になり、日当たりが良く冬でも日中は暖房が殆どいらないLDKとなり、お客様からも快適だと喜んで頂けています。

条件的には、難しいかもしれませんが専門的な知識を持って建物をよく見るとそのような建替えをリノベーションに提案することもあります。